詩人:Ray
どうやったら救われるのか自分でも知り得ないのに
話を聴いてもらおうとは思わない
だけど
きっとどこかに名前があるはずなんだ
ため息まじりに『困る』と言われて
さらに傷が増えたのは
間違いない
誰もが皆
そうなんだと思ってた僕は
自分の「異常さ」に気付いてショックを受けた
僕の身体の周りには
目には見えない悪魔が
四六時中漂って
とり憑いている
幸せなど
信じられなくなった
そう まるで
彼が謳う哀れな言葉が
僕自身を表しているんじゃないかと思うほどに
ギシギシと音を立てて
魂が傷む
笑顔にもいつか寿命が訪れるのではないかと疑う
明らかに心は縮小しているのを実感する
それでも笑い
青を隠す僕の
名前を当てようと騒ぎ立てる輩
多くの名前を候補に挙げられて
僕に提供する
たとえ
どんなに一致したって
僕が喜べるはずがないだろうことを
彼らは知っているのだろうか
心配する言葉なんていらない
どうしたら救われるかなんて
僕も知らない
ただ
名前を知らないでいることが
今の僕にとって
唯一の救いであるのかもしれない。