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詩人:高級スプーン
静かに口を閉じた
幼き君の
これからを
ソラに願うように
聖なるものに例えて
想像されるのは
どんな気分だって
答えるのはいつも
残された僕ら
夢でした
妄想でした
スミマセンでした
天国にも桃源郷にも
旅をするのは
幼き君じゃなくて
今になって
勝手に神様呼ばわり
はるか昔
悪魔と呼んだのも
やっぱり
僕らの方だ
その稚拙な唄を
称賛して
その高尚な歌声を
罵倒して
幼き君の
気を狂わせて
オモチャにして遊んだ
邪な人間達は
常に正しい側なのに
罪の意識を感じて
心地よく喘ぐ
辺り一面に
多量に含まれる
明らかにされていない
物体に
妖怪や天使と
名を付けて
幼き君と呼んだのは
あぁその通り
僕らだ
何を見ていた
何を聴いていた
その容姿は
その歌声は
幻だったのか
定かじゃない
幼き君は
大きく口を開けて歌う
白い肌を
汚れた多くの眼に
舐め回されて
自己を保てなくなっても
歌った
唄を歌った
リアルを
虚構に加工する
画面越しの
欲望を信仰する
僕らは知らない
本物について
君しか知らないか
それすら分からない
それでも
繰り返す
唄を歌えば、