詩人:甘味亭 真朱麻呂
遠い昔 誰かがつくった知らない唄みたいに僕の心の中
聞こえている声はこの世界でいちばん大好きな人の声
今 確かに 僕の鼓膜を 心臓を 伝ってふるわしてるよ
それはどこか聞いたことのあるメロディー
不思議な不思議なメロディー
運命性のあるその完全な犯罪に僕は惑わされたまま
魅惑的な魅惑的な犯罪は僕を惑わしたまま
ずっとずっと僕ほどの名探偵をも疑わせずに穴は徐々にふさがれていくのさ
悲しいくらい
うれしいくらい
僕らは混ざり合い
やがて謎は真実に成り変わった
素晴らしく用意周到な犯罪者さ
君は僕を愛してるがゆえに騙したのか
そんな記憶すら風みたいに消えた今は幻同然なのに
なぜだ…このもどかしさは。