詩人:甘味亭 真朱麻呂
映画のような日々は今日も映画さながら綺麗に終わりをむかえた
フィンなんてオシャレなラストをむかえたよ
雨の中 泣いて立ちつくす人あれば
雨の中 笑ってはしゃぐ人もいる
君の明日は雨
なれど笑うのか
さて泣くのかな
まあ どちらにしても風のように映画は明日も綺麗にはじまり終わるだろう
そこに乱れはなく
悲しいくらい
感心するくらい
予定通り 台本通り
事はすむのだろう
なんせ映画だもんね
たかが映画だもんね
逆らえるわけもなく
逆らうこともない
たかが
たかが
僕らは出演者
そうだ
そうだ
僕らはわき役だ
主人公は誰でも主人公
なれど主人公ばかりだから逆にいえば誰もが脇役だろう
そんな映画の中
今日も人工の雨に濡れ
大概なんでも予測できる機械まかせの街の中
唯一 自然的な自分を見るのさ
悲しくなるくらい短い命だ
でもでも自分を見るのさ
そらせないから
映画の中
映画の中
衣装を着替え
流行りという
流行りという
場面展開に
ハラハラ
ドキドキ
胸も躍る
やがて 終盤へ
終盤になれば終わるのは風のように…
風のように映画は悲しいリアルさだけ残しパッと生まれた時みたいに瞬間で消失する まるで手品だ
おもしろおかしい
映画のはじまりはじまり
拍手はないけど
そこにはいつも
言い様のない
笑顔と涙
寄り添うぬくもり
同じ運命(さだめ)の中を生きる仲間がいた。