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詩人:甘味亭 真朱麻呂
いつも僕を狙ってる
今か今かと死に目を待ってる
死に神さま
自分じゃ手を出せないからと死に神は僕が死ぬのを気長に待ってる ほかの死に神にとられないように狙ってる
いつも見られている気がするんだ
アニメに出てくるような真っ黒なマントを羽織って大きな鎌を抱えたイメージ通りの死に神が
ただ死に神は笑ってるか笑ってないかはわからない
でも今が楽しいと死に神も楽しいようで笑うし悲しけりゃ泣いている
どうやら自分の気分次第で死に神の気分も変わるらしい
君の死に神は笑ってるか?
それとも泣いているのか?
死に神はあなた自身です
だから あなたに聞いてるようなものだ
あなたは笑えていますか?
そんな今を生きていますか?
泣いているのか?
そんな今でも生きているのか?
死に神はあなたの心から別離し生まれたもう一人のあなただから
死に神はあなたが優しいと優しい死に神
あなたが冷たいと冷たい死に神になる
だから 笑ってください
死に神も優しくなるから
あなたのように優しくなるから
どうか悲しくても
雨がやめば
ほら笑えるよ
だから苦しくても
頑張って
涙は乾くよ
死に神はそんなあなたを笑ってる
死に神はそんなあなたにほほえんでる
どうだい?
生きることも捨てたもんじゃない
だから俺を死に神と間違えんなって
死に神はよく見ればあわれな堕天使だった
死に神よりはなんだか優しそうな堕天使だった
僕と同じ半端な天使でも悪魔でもない堕天使だった
でも天使が見せる優しいだけの微笑みよりずっと素敵な笑顔だった
そう まるで人間のような笑顔だった
今 鏡に映った自分の姿がそんな風に見えたよ
ああ 生まれてよかった
教えてくれたのは驚くなかれまさかの死に神
素敵な堕天使だった。