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詩人:どるとる
ある秋の終わりの日に
一本の木から風に飛ばされ落ちた葉っぱの物語
名前はない
あだ名もない
だからただの葉っぱの物語
だけれどなんかちょっと寒い時期には良い心あたたまるかもしれない感のある物語
ゆらゆら
秋風に吹かれて
自由に旅をする
どこへ行くのか
葉っぱの君は
色あせてしまうのが命の行く末なら
僕はその鮮やかな色のまま今は旅をしてみたい
赤や黄色や緑色
葉っぱもいろいろあるけれど僕は何色だろう
ある日ある時生まれた 母さんというひとりの木から
僕は生まれた
運命という風に吹かれて飛び出した
産声あげて
僕はいわば葉っぱのように少しずつ色あせながらもだんだん歳を重ね時を経るにしたがい威厳のある人間になる
そんな歳を重ねる楽しみを見いだしつつある
君というとても大切な友達やそれ以上に大切な彼女とも出会えたから
同じ葉っぱの運命と宿命を背負った同じ運命の上を歩いてる葉っぱたちと
運命から枝分かれするように偶然や必然が生まれたんだとしたら僕が存在するのはしかるべき運命がつくりだした出来事だということだろうか
そんなことはさておいて
僕らは今日も自由な風に吹かれて
葉っぱの人生を満喫している
ある人はある人のために
ある人は自分のためだけに
そして僕は僕と君のために生きている
そんなひとつの運命らしきものから生まれた時間と概念に統一された世界の中であふれる不思議
葉っぱに生まれてよかったな
なんだか早くも思えてた
悲しみは消えない
喜びがあるかぎり
だから僕はなるべく全てを受け入れるための心をはぐくもうとしている
腐るほどある時間の中で何かの間違いがないかぎり続くだろう日々のその中で
葉っぱは葉っぱとしての人生を生きるのさ
僕も生きるのさ
理不尽で不平等なようでこの上なく規則正しい世俗の風に吹かれて ただ。