詩人:甘味亭 真朱麻呂
今も いつも
僕は拭い去れない影を抱いたままなるべく笑うようにしている
わずかな希望にすがってでも生きるようにしている
楽しい事がなにもなくても
ピカッと遠くで落雷の音が鳴ってもまるで他人ごとだけど
また一人この世の中の理不尽に嫌気がさして自害する人の影
気づいて少し悲しくなった
平面的な幼稚な絵にも陰影をつければ少しは素晴らしい絵になる
そういうような人生を僕は明日も繰り返す
まるで普遍的で平面的な人生にちょっと塩コショウをまぶすようにむりやり笑顔という歓びの象徴でつまらなさや憂うつさを偽って 光を欺いて僕は影みたいに黒く染まって立体感のないペラペラの僕になって現実に背中を向けて実はその向こうの真正面では泣いている 泣いているんだ
難しいけれど僕は今そんな気持ち
誰もきっと大概はそんな影を背負う
笑いたい自分と笑えない自分を抱えてる 光と影のように陰と陽のように
現実ひとつにてこずらされている
反対する人がいなければ簡単に片づくようなたやすい問題に惑わされている
そんな影と
そんな光の中で
向かい合う現実を背にして はるか見上げる未来
現実を見下ろして運ばれてくる新しい今日を積み上げてゆく
そんな世界に僕はたった一人生まれてやがて死んでゆく
生まれさせられた
そんなよこしまな感情に良心をつつかれながら張り裂けそうな胸の内をうたう
言葉にもならない
声にもならない
名前すらない何かで
それでも僕はその何かを決してたどり着くことのない未完成な言葉や声で代用する
ただ、疑問ばかりがいつまでも残る煮え切らなさやもどかしさを吸い込み続ける
今日もただつらつらとうたうことを続けている
生きてしまうこの不可思議な気持ちが死にたい気持ちに逆らって反発しながら傷ついて僕は僕のまま僕を意味もなくわけもなく続けている。