詩人:さみだれ
ゴミ山であなた生まれていたら?
大層自分を可愛がるでしょうね
生まれる前から温かくしてた?
そうだから他人を気にしてばかり
自分は安全地帯にいる
でもね一歩踏み出してごらん
ブレーキの壊れた誰かに
君の安全は壊されるのです
いとも簡単に壊せるのです
自分というものは
窮屈な部屋で
縮んだお下がりのシャツ着て
通販で頼んでおいた温かい人間(なりは化け物)
愛するという建前で食べてしまうんだ
よその国であなた生まれていたら
きっと知らんぷりできたでしょうね
あなたの隣で起こる奇跡や不幸
あなたの一万キロ隣で起こる神秘や絶望
こんなところに生まれてきたばかりに孤独だ
いつまでとぼけてるつもり?
かっこつけたって建前だよ
いつまでとぼけてるつもり?
曖昧なままにしておいて踏み倒すの
なかったことにしておくのです