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詩人:高級スプーン
僕が救われると
感じる度合いは
他者の思考に
どれだけ自分を
垣間見られるか
という一点に尽きる
其処に到った時
犯してしまった考え
自分が何をしても
自分が何もしなくても
水が自ら
水を掬うような
悪があくまで
悪に巣食うような
どうしようもない共感
何処までも
自分は自分で
自分自身の力では
変われないのだと
自覚してしまった
あらゆる面で
悪い意味で
断定してしまい
自分を自分では
助けられないと
信じてしまった
手の施しようのない
絶えた望みの中へ
入り込んだ僕は
此処から
抜け出せないから
此処に居て
待つことにした
いっそ命を断てば
確かに消えるだろうが
残るものもある
一辺も残さず
消え去るには
一辺も残らず
救って貰う必要がある
完全に一つ残らず
消えてしまわないと
死んだ心地がしない
贅沢な悩みが
目標に変化して
僕の出した結果は
ボツになった
まだまだ浅い
まだまだ浅い
逆説のない
反論しようのない
考えに辿り着くまで
僕の精神は
何処かに在るのかと
救われないのに
全部消えてしまう
影響される
他者の思考を
全部救わないと
自分は
救われないし
全部救っても
救われないかもしれない
答のない問いに
当てはまる結果を
残す為の仮定を
歩むには
救われてはいけない
救われるにはまだ
救われてはいけない
変わらずに止まるには
変えなければいけない
他者を
自分を
同時に全てを
消し去るには
絶対にない方法を
思い付くしかない
堂堂巡りから抜け出す
中途半端に中断して
終わらせてしまい
始まりを待つよりも
絶対に近づく為に
絶対に取って代わる
絶対になる
自分のまま絶対になる
絶対が自分に
はじめから
自分なんて
存在しなくて
自らの存在を
消し去ろうと
考えてしまっている
自称・少年は
幻想的な
ミステリーに
憧れて
続く