詩人:どるとる
息継ぎをしないでは
泳げない 長い道のり
ゴールさえ見えない
果てのない旅の途中
涙が 流れ いくつもの笑顔が散っていった
今日も息継ぎをしながら 生きてる感覚を養い 体中で受け止める 命の重みを
やけに寂しい帰り道
空には 雲に隠れて
半身をのぞかせた月があるだけ
それぞれの日々の中
やるせない心の奥
擽るような君の声
なだらかな下り
急な上り坂
時間と季節に
縛られて
先の未来に
夢を持てと
街は言う
人は言う
大人は言う
息継ぎなしの苦しい旅になりそうだ
酸素はあるけど 優しさが足りない
肺を満たすのは空気
心を満たすのは欲望
隙間を埋めるのは
君でなければ
君でなければ
この旅は続かない
息継ぎをして見える
世界にせめて 安らかな時間があるように。