詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕はこの世で三本の指に入るくらい愚かな愚かな人間だ
そんなコト誰が言っていた?
根拠のない事を言わないでもっと自分に自信を持ってみなさい
好きで生まれたわけじゃないさとよく人はグチるけど
口を滑らすにもほどがあるよ
それならみんな一緒だ
だけれど生きている人もいるよ
ほら自分を見ればわかるだろう?
君は自分ほど苦しい思いをしている人はいないと言う
それなら同じように一緒にそれで自分が頑張ってると思え
そう思えば君は自分自身に自信が持てる
三本の指に入る愚か者なら
同じように
三本の指に入る貴重な人のはず
考えても見て
珍しい人間だ
またとない人間だ
自分をそこまでばかにするなら違う見方でばかにしてごらん
やさしくなれる
気持ちも変わる
君は三本の指に入る愚か者だとしても
僕には それ以外の誰かにはきっと愛すべき愚か者
もっと世話を焼かせて
私を気遣わせて
そう思わさせるかわいらしさがある愚か者だから
愛すべき愚か者よ
三本の指では到底おさまらぬ愛を感じよ
自分にはただの愚か者
されど
他人にはちょっと違って愛そのもの
かけがえのない人
だから自分で自分を汚すあなたを悲しい目で見るだろう
だからそう考えるのも人生の中じゃふつうのことだ
だけどたまには違うふうに考えて見て
角度を変えれば
見方を工夫すれば
きっと愚かさはやさしい表情を見せる
愚かは愚かでもそれはあなたらしいところでもあるよ
捨てることはない
そのままの
ありのままの
君でいて
本当は誰かが思ってる
恥ずかしいだけで
僕も右に 左に 同じさ
三本の指の中に僕も割って入って
三、一本の指になるから 傍にいさせて
あなたにだけ
悲しい思いはさせない
三本あるうちの一本の君に。