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詩人:どるとる
夕暮れ色に電車に乗って なくしたものを探しに出かけよう
数えきれないほどの涙の雨に降られてきたよ
旅から旅へ 渡る 渡り鳥のように いろんな思いであの空を眺めてきたんだ
笑っていても胸の中は本当は悲しみでいっぱいだよ
そんな顔で笑うくらいなら 恥ずかしさも捨てて泣きたいけど
時として人は我慢を知って 涙を押し殺してまで笑えなくちゃいけない時がある
夕暮れ色の電車に乗って 悲しみを捨てに行こう
瞳の窓から流れる景色が映る 美しいものばかりじゃないけど
たどり着いたこの夕暮れ時の空の下 あとで気づくんだよ
生きていて良かったと
夕暮れ色の電車と 色あせてくスニーカー
失ったものを指折り数えても笑えない
だからちゃんと前を向いて歩くんだよ
もう振り返られない
時の電車は止まらない
石炭はくべなくても
命を燃やしながら走りつづける 終点に向かって
今日もあしたも
夕暮れ色の電車に乗って 絶え間なくあしたをめざす
ただそれだけの旅をする 僕らは旅人さ
風に吹かれて 出かけよう
あとで気づくんだ
なんだかんだ生まれて良かったと。