詩人：甘味亭 真朱麻呂

めぐる今日は
どこからともなくあらわれて
どこへとともなく消えていく

どこへ消えるの？
さびしくなるよ
ふいにさよなら
今日もまた
同じ場所に消えるの？
今までの今日同様に

夕暮れに聞いても
知らんぷり
教えてはくれない
風に聞いても
無駄なようで
心に聞いても
罵倒すらくれない

それでも
僕は気になるよ
生まれた限りは
ここにいる限りは
命をもつ限りは
気になるよ

知る権利はあるはずだ
僕にだって
消えた今日１日の行方
夢の中で消息を絶った今日１日の行方
今日の今日はまた別の今日だから
昨日の今日の行方を聞いても新しい今日はこたえちゃくれない

悲しい限りだ

それでも気になるよ
だからきりもなく教えてくれそうな誰かを見かけてはたずねます
たずね歩きます
旅すがら

今日は一体どこからあらわれてどこに消えてゆくのかとさよなら間近の夕方に今日も無駄だとはわかっててもたずねるのさ
昨日と同じ薄情な夕暮れに
神様に口止めされてるのか？
なあ？

まったくもってわからない

それでも気になる
飽くことのない心
東に噂を聞けば東へと
南に噂を聞けば南へと
僕は旅ガラスになって飛んでゆく
それでも的外れだけど いつも
負けないよ
いつかその消息をつかんでやると誓うよ

今日は何処に
僕は今日も見えない誰かにマイクを向ける。