詩人:甘味亭 真朱麻呂
咲いたばかりの花は珍しがられちやほやされ
しばらくはちゃんと世話される
だけどその内大人になるからさ
可愛くもなくなり自立するから子供の時のようにはあつかわれない
そんな僕らにひとつ救いがあるならば
それはなんだろう
大人になったからって可愛くなくなったりはしない
大人になったからって何もかもが完璧にはならない
それどころか不完全極まりないくらいだよ
母上 父上
そんな僕らの心に
今 願うならば
社会に染まりきらない
幼さ残る無邪気さをもう一度思い出してイチから五十音をおぼえる感じで大切なことなくした気持ち過去からたぐり寄せてみよう
不安だらけの不安定な未来に花よ咲け
現在(いま)というまたとない時間に花よ咲け
そして舞え舞え
狂おしいほど
踊るのさ 踊るのさ
お世辞にも笑えない今を生きていても光を見失うな
まっすぐ前を向いて眼を閉じてても道しるべを頭の中に描いて自分なりの未来にたどり着けよ
そこで君は蝶になるのさ
悩ましきさなぎの時代を脱皮してきれいな蝶になるのさ
まじめさや不真面目さ
ずる賢さや遠慮なさ
フルに使いまくり
君は君の中で新しい君になる
君は君の中で成長を遂げるのだ
そしていつか羽根をたたむまで君は飛び続ける
君という蝶のまま
君という蝶のまま
背中に光る思い出と重量感のあるヒストリー抱えて
君は今日も飛ぶ
君は日夜飛ぶ
蝶々。