詩人:どるとる
いつの間にか 夕陽は夜に食べられて
あたりはもう闇のなか 僕はおなかのなか
繋いだ手 離さないで
くだらないくらい
このままでいよう
言葉なんてなんの役にも立ちはしないさ
ぽっかり穴があいたような おなかがすいたような こんな夜には 誰かのぬくもりが やさしさがいつもよりずっと支えになるよ
この手伝わる熱は
どんな悲しみさえ
目の前から消してしまう
余計な言葉は要らない ただ一緒にいるだけ
それだけでただの夜も特別になる ほら魔法仕掛けのようだねと笑いながら 僕らは星屑の散らばる空を見上げ 目を閉じるまで小さな声でお話するんだよ
こんな こんな さみしい夜には
独りぼっちは悲しすぎるだろう
こんな夜にはいつもより 誰かのぬくもりが やさしさが はっきりと伝わるよ
おやすみの合図 片目でウィンク もう片方の目もつぶっちゃうね
そんな夜には 言葉にならないときめきが僕らを 包み込むだけ
包み込むだけさ。