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詩人:甘味亭 真朱麻呂
好きだよなんて
愛してるなんて
言えるわけない
言えるわけない
だけど言いたい
好きだよとかさ
愛してるとかさ
言えたらいいな
言えたらいいな
いつか言いたい
何故 僕は君を見たときから視線が離せないんだろう
目を閉じても君が心の中に映る
君じゃなくちゃいけない理由なんてあるはずないのに
何故か 君がいい
何故か 君だけが
輝いて見えてしまう
恋をしたら人は不思議な魔法にかかる
その魔法を解く手段はその恋した相手と仲良くなること
ある種呪いのような魔法が今も僕を切なくさせる
恋とは単純で簡単なものなのに
人を好きになるとかただずっと一緒にいる
そんな気持ちやそんな理想を叶えればいいだけなのに
二人の気持ちが重ならなくちゃ成立しない問題だ
だから
切ないのさ
片思いって
君は僕じゃなく
ほかの奴が好き
僕は君が好き
ほかの奴じゃなく
そんな食い違った二人の気持ちは向ける愛すらすれ違うから
まるで左右の電車が違う行き先へ行くようにかならずずれてしまうよ
僕の恋も君の恋も
まるで例えるなら
ななめのシーソー
右下がり 左上がり
または
左下がり 右上がり
どちらかが上で
どちらかが下
そんな
恋に悩む僕ら
あいつじゃなく
僕を君が見てくれたならいいのに
奴の隣にはかわいい彼女
君はそれでもあいつを見ている ずっと
なんだか立ち入る隙さえ見つけられないな
君のその姿はいつも見るたび悲しいものだけどなんだか痛々しい
ちょっとだけ水平に近づくだけ
それだけでもいいのになぜか気配すらなく日々はだっとのように過ぎてく
ひとりぼっちの二人 今なら十分愛し合えるのに
君の恋のシーソーは叶わぬ羨望を乗せて切ない片思いに沈む 僕を候補から消したまま。