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詩人:甘味亭 真朱麻呂
たとえば僕が鳥ならば
こんな人に囲まれた毎日でひとりになりたいさびしさを望むこともなかった
たとえば僕が空ならば
何にもとらわれずただ自由なままのその姿で人々の営みを見下ろすだろう
だけど僕は人間に生まれてきてしまったから
もう何を願っても後の祭り
望むもの
望まないもの
すべてできる範囲でゆるして
夕暮れが思いさえオレンジ色に染めて取り返せない運命への羨ましさをただ呪えば悲しくて寂しくて
だからさたとえば僕が嘘ならば良かったと思ってしまう今もわかってほしいのさ
悲しいから
寂しいから
わびしいから
切なくもあるから
死にたくもなるさ
いろんな感情
気持ち 混ざっちゃって言葉になりません
そんな運命はもう定められてしまった
望む間もなくこんな形で定まった
それが現実だと想うだけでこわいや
だからだからめまいがするほど悩みあふれる世界で生きるのに多少の癒やしを求めるんだな
僕らはそれさえしなくていい運命を求めたのに
なんて言うんだよ
たまに浮かべる笑顔も忘れちゃって言うんだよ
苦しみしか見えないんだな
一理あるけれど。