詩人:どるとる
いつの間にか 訪れた夜の闇が 街中の音を食べ尽くす
悲しみもどうせなら食べてくれないかな
半分に切り分けた光と影の世界 表向きだけは立派なのに中身が外見に伴ってない
笑おうか 幾たびも押し寄せるであろう
これからの転機に
泣こうか 目の前にそびえ立つ
わかりやすいほど単純な境遇に
緻密な計算や難解な方程式さえ 役に立たないほどに
僕は人という形を失わないただ人でありたいと願うから
そこに朝が生まれても
そこに闇が広がっても
僕は僕以外のなにものでもなく
僕からはみ出すことも抜け出すこともできない
それは退屈なようで
時に救いのようで
そして今日も僕はただ僕だ。