詩人:どるとる
終わりのない物語の中で終わりのない痛みを抱く
永遠がもしも手に入るなら悲しみも永遠だという事を忘れないで
永遠は誰にでも幸せではない
だからこそさよならは必要で
それは終わりのない悲しみに終わりを告げるから
終わりある
この世界で
ほころんでゆく
この宇宙の片隅で
僕らはただ生きる
朝と夜を死ぬまで
繰り返して
ただそんな連鎖を
人は幸せだ不幸だとか笑ったり泣いたりする
すべてはこのリアルな世界の中でしか感じられない奇跡
常識からはみ出すだけでおかしな奴だと区別される世の中で少し他人と変わってるってだけで変な奴だと言われたりするのが常識的だと思うのかい?
それなら悲しみは死んでからもこの世界を包み込んで離さないな
さよなら
もう僕は生まれ変われない
常識が正しい摂理なら何ひとつ不思議なことはない
だから人は生まれれば死んでいく運命さ
そして再び生まれ変わることはなく
さよならをつぶやいたらそのまま土の中へ永遠に埋まってるしかないのさ
悲しみは誰が死んでも生まれても人がいるかぎり心があるかぎり死なないから
僕らはそれからそっと逃げるために死ぬのかな
なんて弱々しい理屈で僕は今日一日を過ごした
ああ、さよなら
もう二度と会うこともない僕より先に死んでゆく今日よ
そして今日を懸命に生きた自分よ
安らかに 眠れ
永遠という棺の中
僕はまたひとつ
死へと一歩向かいながらも光を増して生きていく
生まれ変われはしないがどこか新しい僕になる
みんな みんな
新しい朝がくりゃ
みんな みんな
新しい自分に変わる
それがさよならする意味でそしてより新しくなるために生き続ける理由なのさ
永遠のない僕らに与えられたせめてもの慰めにある繰り返しなのさ
ああ、ならば喜び慎んで生きさせてもらおう 寿命という悪魔が僕の命を喰らうまで言うだろう さよなら…