詩人:遥 カズナ
汽笛の音は
聴いた事は無いけれど
心に残る
吹き替えの要らない
映画に映る
線路のレールのようなそれは
振り返れば
どこまでも残してきた
今までのようで
「旅情」と言う言葉がある
辿るのには
あまりに僕には勿体ないが
他に相応しい
すべすら分からないから
この手、この足
この顔、この心
で
蒸気機関が
真っ白な煙をあげる程に
ずかずかとやってきた
やりたいように
やってきた
「後悔」の対義語を探し求めるように
本当は
残ったものと
残らなかったものとの
違いが
分からなかった
ただ、それだけなのかもしれない
宮沢賢治の
「銀河鉄道の夜」は
ぜんぜん面白く無かった
そう言うと恥ずかしいようで
言えなったが
これですっきりとした
もう少し先まで行けそうだ
きかんしゃの詩を
書きたかった訳では無いけれど
もしも旅をするのなら
乗ってみたいとは思う
本当の汽笛の音を
聴きながら