詩人:高級スプーン似
吐けない糸に身を包み生えない羽を夢に見てふとした瞬間孵った我は人間にとって害のある虫ではなかった全く成長しないのなら手も足も意識も要らない日陰に住みもぞもぞと動く見る者を不快にさせる虫になりたい薬を浴びせられのたうち回れば早く死ねよと冷たい目私が居なくなれば束の間皆に幸せが訪れるこの上ない終わり人の姿で祈っても目が覚めれば失っていない我虫にはなれない