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詩人:地獄椅子
黒を愛した貴女への詩
私の創造った
永遠の詩
貴女に捧げます
どうか
聴いていて下さい
貴女の目も
貴女の耳も
既に不自由で
貴女の意識も
貴女の思考も
もはや不明瞭で
それでも私は
たった一人
貴女へと
まっすぐな想いを
乗せて書きました
稚拙な言葉達
不器用な文面
二人で泣いた日と
二人で笑った日を
平凡だったと
済ませてた
もう泣けない貴女
もう笑えない貴女
表情一つ変えぬ
美しい貴女よ
もうすぐで
春ですよ
私のギターに合わせて
貴女は伸びやかに
歌ったあの春の日
あれから幾つも
季節は過ぎ
貴女は今
生きているのか
死んでいるのか
楽しんでいるのか
悲しんでいるのか
ずっと寄り添っていた
私ですらはっきり
解りませぬ
でも私には
生きてるように
楽しんでいるように
思えてならないのです
ずっと隣にいていいですか?
横たえるベッドの傍
貴女の呼吸の
聞こえる位置
「愛してる」
文字数にして
たったの四文字の詩を
いつも聴かせてあげたい
生きている貴女へ
楽しんでいる貴女へ
植物人間の貴女へ
脳の機能は不全でも
心の活動は不変です
ああ そう言えば
貴女の好きな
長崎のカステラ
貴女が愛読していた
メルヘン小説
今日買って来たんだ
もうすぐ春ですよ
今日の調子は
如何でしょう
貴女が
笑った気がした
私は貴女と生きている
私は貴女と生きていく