詩人:甘味亭 真朱麻呂
本当の素顔で生きているひとなんて多分いないだろうね
一度でも本心にうそをついた時点で本当の心はもう失われたも同じです
でも
本当の心だけで生きていけるほどこの世の中は甘くはないからときには本心に逆らって本心とは反対側に逆走しなくちゃならない日もあるよね
唇かみしめてお気持ちお察しします 誰かさん
だけれどひとつ気になるのはね本心に忠実になって生きれてもそれは正しいとは限らないから誰かの厳しい言葉もときには必要だろうね
欲望にブレーキをかけてくれる誰かがいたほうが いるって事は幸せだと思うけど
誰かさん
いいや僕よ
そして君よ
だから 今こそ 今こそ
地面より少し宙ぶらりんの浮ついた風船みたいな心 青空に解き放って
バイバイバルーン
バルーンバイバイ
いたしましょう
そうしましょう
そんな気持ちだけが欲望に汚くなる君を救う 僕も救う 世界を救う 全てを救う
ピエロが笑う
優しく笑う
たまに喜びを抱え
ピエロが来る
優しく手渡す
そして前とは違う
涙を流す
素直な気持ち
決してなくしたわけじゃないピエロは泣き虫だから
恥ずかしがり屋だから陰で泣いてるだけさ
バイバイ 右手でも左手でもどちらでもいいから
手を振りましょう
もう会わなくていいなんて事はいえないがとりあえず今日でまずひと段落
バイバイバルーン
バルーンバイバイ
いたしましょう
そうしましょう
綺麗な夕日のオレンジ色 ほほまであかく染めて大好きな君とふたり誓いあうのさ
新しい明日の扉のちょっと十メーター離れたくらいの付近で僕は行ったり来たり君とふたり迷っていた
風船を遠く 眺めて
指から離れてく風船がまるで嬉しそうに夕空に踊る 天高く飛んでゆく あの向こうには自由以外はないから安心して行ってらっしゃい
僕はドアを開く。