詩人:甘味亭 真朱麻呂
俺の涙は世をぬらすほど大げさなものじゃない
俺の悲しみは世を悲しみに包むほどたいしたものじゃない
けれど僕にはとても悲しくてとても切ないものだから
自分勝手と言われても悲しいものは悲しいんだ
俺の涙は空を染める
俺の瞳の中だけで
俺の涙は世を染める
俺が見つめる全てを
悲しみ 喜び そして悲しみ
繰り返すその流れには少しの乱れも淀みもなくただ忠実に時を刻む運命に従う
なんとなく悲しいとかなんとなく切ないって想いだけ胸の中で溢れたまま
ずぶぬれの心が泣いている声を僕はいつも聞いている
それなのになにも言えずただ笑っている
笑って笑って笑っている
俺の涙のすぐ隣で
俺の涙のすぐ横で
悲しみは喜びが終わるのを今か今かと待ちながら僕はそれに怯えている
そんな日々が今もこうして続いてる
どこにでもあるようなありふれた物語のように ただ続いている。