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詩人:甘味亭 真朱麻呂
いつかこの物語は完結を待たずに終わる
いくつかの始まりと終わりを飽きるほど繰り返した挙げ句
僕の全ては地球が崩壊する前にジ・エンド
みんないつかは地球が崩壊してもしなくてもジ・エンド
それに併せて人は世界でいちばんきれいな涙を流し産まれたことをなによりも尊び悲しむのだ
心から 心から
生きることは大変だけれどもっと生きたいなんて思うんだ
大きな大きな地球の中で始まる小さな小さな僕というある物語の終わりがこれほどまでに悲しく嬉しいとは産まれたときは気づけなかった
でも今気づいたんだ
だんだん日々が輝いて見えるから
生きれる残り時間が少なくなり年齢をとり思い出が遠ざかっていくたびだんだんだんだんだんだんと気持ちがどこか優しくなるから
不思議なほど心があたたかくなるから
大きな大きな地球という惑星にただ一度だけ自由でいられるこの時間を僕は愛しく思う
なんか大げさだけどいつか消え去るからちっとも大げさじゃない
みんな小さな小さな物語 それぞれ描いてく
それはいつか消えてしまうからはかないけれどだからこそなんだか素晴らしいのだ
そう思うから僕は笑う
笑って笑って一度きりのこの時間を笑顔で埋め尽くすのさ
いつかこの物語は完結を待たずに終わる
それでもそれでも僕は笑って笑い納めまで笑って生きてやる
自分に誓うよ
胸に誓うよ
大きな大きな地球が生んだたったひとつの運命の悪戯に見初められ授かったこの命をさいごまで僕は大切に大切にする
その誓いにはただのひとつも嘘はない
嘘はないのさ
だから明日も風の吹くまま気の向くままゆっくりだらだらマイペース 歩いてこう
楽しめない人生なんてイヤだよ
だから少しくらい立場が危うくたって冒険してやるさ
それが自由に生きるって事なら正解も不正解も無いだろう
ああ無いだろう。