詩人:どるとる
涙涙のはなしがあるのです 誰にでも
涙涙のはなしをするのです 誰もかも
僕にも君にもあるのです 今日も明日もそういう場面があるのです
ああ 生きること
例えば 笑うこと
例えば 泣くこと
難しいな やりきれない
そう 逃げること
立ち向かうこと
闘うこと
痛いな 苦しいな
傷跡が見えない
無傷なようで
見えない傷だらけ
優しさおくれよ
ぬくもり分けてよ
穴ぼこだらけ
すきま風が冷たいな
涙のはなしをするならば 僕はとてもじゃないが笑えない
涙のはなしをするときは 誰もとてもじゃないが眠れない
枕を濡らした夜がある
苛立ち抱えた時がある
日々の暮らしのその中に
いくつも浮かぶ涙のはなし
けっして楽しいばかりじゃない
けっしてうれしいばかりじゃない
わかってほしいな
君にだけは
認めてほしいな
君にだけは
僕は紙のように脆い
水に濡れたら 涙でぐしゃぐしゃさ
かばう傘はないんだよ
だから言い訳もするさ 背中見せるさ
それを恥と言い切るな
僕は恥だと思わない
そんなときは泣け
そんなときは泣け
涙のはなしが尽きるまで
そのはなしを話し終えるまで。