詩人:どるとる
流れた涙と流した涙は全然違うものだ
流れた涙は何か感動的な出来事に出会ったとき自然に流れていく涙で流した涙は多分ね誰かに泣かされたみたいに無理やり流された涙みたいに思う
涙はいつもただ流れては消えてくけれど
流れた涙も流した涙も行く先はまた僕の中
悲しいことや感動的なことは尽きないからね まるでまた初対面みたいにそっけなく流れるでしょう
この心をつたって頬に流れる涙
僕を包むその優しさや厳しさでたまに僕を励まし僕を落ち込ませたりするんだ
なぜ 僕らは涙を流すんだろう
嬉しいとき涙は流れるんだろう
悲しいとき涙は流れるんだろう
涙はきっと心がふるえたときにだけ流れる
だから答はきっと簡単さ
涙は僕らが生きている間中ずっとそばにいてくれるんだ
邪魔くらい近くに
誰よりも愛しくなるほど僕を中身から温めたりする
でもそんな涙にいつかさよならをする日がくる
そしたら悲しい涙にもなんか情がわくね
でも僕もまた永遠じゃないように涙も永遠であるはずはない
今 流す涙より 明日流す涙は終わりへ一歩近づいてるからより冷たいかな
そんなことないよと言う僕とそうだなと言う僕で意見が分かれてる
でもひとつだけ
わかること
それはきっと
今 流れてる
涙も同じように
悲しみと喜びで熱くもなく冷たくもないちょうどいい適温だということ
だから涙には悲しみが必要で喜びも必要で
だからだから嬉しいとき涙を流すし悲しいときも涙を流すことが必要なんだ
じゃないと悲しみに暮れる自分に喜びに浮かれる自分に修正がきかなくなるから
それをどうにか抑えるために涙は気持ちと気持ちの仕切のように別々の場所へ流れるんだ
悲しみは東へ
喜びは西へと
というようにね
涙は行方を変えていく
その時流れた もしくは流した涙の流れ方に左右されて
涙は方向を変えていく
だから僕らは十分に涙に溺れられる。