詩人:どるとる
さよなら さよなら
今日の日よ
夜に食べられて
皿の上には
パセリだけ
残されて
夢の卵を割ったら
ほら黄身や白身のように
昨日と何ら変わらない新しい君が生まれる
さよならとは知らないまま 生まれてきた僕らは
途中で人には終わりがあることを知らされ 立ち止まった
さよならにたどり着くまでのマホロバの時を歩くこの旅の意味を考えた
さよならの音階が少しずつ 押し寄せてくる
さよならの音階は浮き沈みを繰り返す
悲しみや喜びや安らぎや痛みを 消化もできぬままに 次々に胃に詰め込まれるような 感覚に似てる
容量を軽くこえた
日々の重さに
悲しい笑いが
こみ上げる
それでも生きること
それだけでも誇らせて
それでも苦しむのも
仕方ないと堪えている
さよならを知らせて
その時が来たらどうか
静かな眠りが 夢のように 訪れるように。