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[178845] プラネタリウム

詩人:どるとる


遠い昔父に
連れられて
星を見に行った

最初は何をしに
行くのかも
わからなかった

ほら、見てごらん
星がきれいだろ
そう言って
あまりふだんは笑わない父が笑った

優しい星はまるで
父のように
僕を照らす光
今夜も流れてる

たくさん 殴られた
たくさん 怒られた
だけどあとで
それは愛情の裏返しだと知った

確かに愛されていた
確かに守られていた
それはいつも
規則正しい時計のようだった

だけど、心の中 血の通った教科書には載ってない この世界の不思議のような
深い深い愛を僕は注がれていた

帚星 ふらり 空を駆け抜けて行く夜
僕は願いかけてみた
父の幸せを祈った

これからは僕が
愛す番だ
守る番だね

白髪になって
背も低くなって
腰の曲がった
父に僕は何ができるかな

帚星が 何万光年かけて僕の瞳に映るけど
流れてる姿は一瞬だね 人生に似ている

帚星 ふらり 空を駆け抜けて行く夜
僕はあの頃のように望遠鏡から覗いた

懐かしいあの父の優しい笑顔を

そして落ちそうな星の夜を

僕の心の空一面に
広がる思い出
プラネタリウム。

2012/10/01 (Mon)
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