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詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕の夢には色がない
僕の理想には現実感がない
僕の心には笑えるゆとりなんかない
それでも日々は無情に過ぎて
それでも時は無作法に過ぎる
殺伐とした現代社会に降りたった日からずいぶん歩き回ったから 靴はぼろぼろあちこちつぎはぎだらけの心
生まれもっての良心も薄汚れて
いろんな世の中の汚さを知りいろんな出来事を見すぎた
僕の夢はあまりにも夢すぎて
夢みることさえキチガイの沙汰だ
わかってるけどどうしても常識じゃこの狂おしい野望は満たされず気が済まぬ
だから 世の中から遠く離れたこの場所でひとり寂しげに叶わぬ夢を妄想す
目を閉じて広がる想像の夢の世界でひとり幼い飯事の続きをするんだ
不安は僕の希望や期待までも吸い尽くして跡形もなく今では割れた風船の残骸のようだよ
悲しいばかり切ないばかりの日常
非日常に行きたい
今 そんな気分で
笑う気力など風前の灯火
あ、今 消えた
今 消えた
一瞬の暗い影 差し込んだとたん。