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詩人:けむり
困難な中を生きている。
理想的でもない頭と体を使って。
ときに胸の中心から崩れそうになるよ。
だが、そのたびに立ち上がってきた。
もっと強くなるんだ。
そう言い聞かせて背筋を伸ばしてきた。
人は負け犬だと陰口をたたく。
ちゃんと聞こえている。
だが、目指しているものの美しさを疑ったことはない。
価値があるものとないものの見分けはつくつもり。
そしていつかこの黒いカーテンのような閉塞感を切り崩す。
望んでいるのはひとつだけのことさ。
難しくはなく、だがたやすくもなく、
けっして叶わないことでもないけれど、
無軌道に流されて手に入るものではない。
ぼくはぼくとして存在したい。
ありのまま、存在している。
ぼくはただそれだけのことを証明したいんだ。
それだけのもので自分を示せたら、
きっとそれこそが栄光だと思うんだ。
そして確かな栄光とは美しいから、
きっと愛されると思うんだ。