詩人:哀華
本当は
聞いて欲しいことが
ありすぎて
上手に笑えないだけ
部屋の中には
みんなの生ぬるい
涙と
一緒に流れた
小さなあきらめ半分
孤独と苛立ちとが
くすぶってるだけ
助けたかったんだ
助けたかったんだ
非力な手でも
助けられると信じて
疑わなかったんだ
君を駅まで送る道
その途中で
「大丈夫だ」なんて
笑う顔は
馬鹿みたいに
切なくてつられて
泣き笑う私の口
許してね
君を助けられなかったんだ
その手で
大きなバツを
描いた瞬間
その顔は
いつも通り
笑っていたはずで
思わず走り出した
右足は痛みなんて
忘れていて
本当は
殴ってやりたかった
一緒に落ちても
構わない
そんな気がして
たまらなかった
その目が本当は
今にも、今にも、
泣き出してしまいそうな
そんな気がして
たまらなかった
夏のはじめ
君が学校から
居なくなった日