詩人:リコ
肉に施す
スパイス達
体裁様と世間様
塩気など
はなから無い事
気付いていた
だから
後生大事
これみよがし
シャブリ続ける気は
もう無いわ
鼻を抉るほど
ツンとした
絶望的なまでの
“世界の臭い”
味の無い肉に
施すスパイス
これだけあれば
十分過ぎるほどね
マゾヒストな肉の塊
叩かれれて
叩かれれて
染み渡る
野蛮なその味に
歓喜を震わす
あたしは
人で
人でありたい
他人様の
小さな黒目が
あたしを
大きく見ようと
小さく見ようと
つまらなすぎる
どうでもいい事
日本特有
整理現象
綺麗に片付けられた
魂なんて
その日から
呼び名は
魂では無くなるわ
番号さえ
あれば十分
あたしは
番号にはなりたくない
あたしは
いつだって
いつだって
がんじがらめの
島国で
崇高なまでに
阿呆な方へ
いいえ
人として
生きていく
息絶えるまで
染みても染みても
満足しない
完成しない
あたしは
味の無い
ただの肉で
あり続けたい