詩人:夢野咲道
季節が変わりました
”昨日も今日も明日も
いつか全てが過去になる”
そんな誰かの言葉を思い出しながら
ぼんやりと窓の外を眺めています
小さな窓から見えるこの景色が
もし世界の全てだとしても
僕は絶望などしないでしょう
そこには花が咲き
木には小鳥が歌い
例え雨が降ったとしても
陽が差せば
木の葉の水滴はキラキラ輝きます
時々
虹の欠片も降ってきます
気紛れな猫がやってきて
こちらをチラッと見ては
退屈そうな顔であくびをしてみせます
風が吹けば
色とりどりの落ち葉を運んできます
降り積もる雪は
全てを包んでくれます
今このひと時でさえ
明日には過去になっているのだと
そう・・・
それは
分かってはいるのです
明日になれば
昨日も今日も同じです
でも
それで昨日が消えてしまう訳ではありません
思い出す日が1日づつ増えていく
決して消える事の無い思い出が
僕が生きた証なのです