詩人:どるとる
本当の声を聞かせて
あなたが大事に思う誰かがもしも明日いなくなっても
あなたの心が泣き声ひとつあげないのなら僕はあなたを人とは思わない
なんでもわかる神様に名前がないように
僕にはどうしても見えない明日を信じられない
やがてあの空も
あのきれいな景色さえも僕の瞳からも
跡形もなく消え去ってしまう そんな日が来ることをどうして信じられましょうか
今しか見えないよ
この謎はどんなに才のある人でさえ解き明かせないほど
単純すぎて うまく受け入れられない
この世界にある全てはまるで全てが謎で
誰一人何一つ解き明かすことはできない
時代がどんなに過ぎ去っても 科学が生活を変えても 結局僕らには自然を操る力はない
進んでいるようで少しも動いてない 覚めることのできない夢の中でさまよっているようなものなのさ
生まれてから死ぬまでずっと僕らは目には見えない 迷宮の中であるはずもない答え抱きしめ わかったふりをして満たされているような気持ちになってるだけ
そのほうが幸せなのかもしれないけれど
本当の声を聞いたら
あなたは変わってしまうかもしれない
だからこのまま何も知らないまま 笑うんだよ
張りぼてのような世界を見つめ それが全てだと思っているかぎり 何ひとつ傷つくことはない
それが例えよくできた偽りだとしても
あなたにとって真実となり得るなら。