|
詩人:どるとる
当たり前なこと
ありふれていること
それを特別にするのはなんだろう
何もない部屋に
家具が増えてゆく
椅子や机 本棚には無数の本が並んでる
窓のカーテンを開け放って
空気を入れ換えれば
夕暮れの風が部屋を包む
橙の空が 君の瞳を優しく 穏やかに染めるだろう
今日は今日しかない何かがあってさ
そして明日は明日しかない何かがあるよ
例えばあの空を空と呼んでも そこにはなんの疑問も生まれないように 僕らどんなに悲しくてもいつの間にか生きている
不思議にさえも目を向けずに ただ流れ行く日々を淡々と生きている
それが、不思議なことだって 気持ちは雲の上さ
あの空を空と呼ぶのなら 僕を僕と呼ぶ君も なんの不思議なこともないさ
ただ、ここにいるってだけであの夕暮れがきれいに見えているから
それでいい
それがいい
なんとなく思うんだ
僕はいつでも僕だから
なんとなく思うことは簡単なことばかり
だけれど少し 切ないと 気づくだけ
それでいい
それがいい
あの空を空と呼ぶのなら あの空はいつまでも空のまま
僕はただ思うだけ
きれいだなと見上げるだけ
お腹がすいた
家に帰ろう
ああ くだらないよ
悩むのはやめにして
ただ心にしたがおう。