詩人:甘味亭 真朱麻呂
心に突き刺さった悲しみのトゲがまだ抜けないよ
その痛みは胸にずしり重くのしかかる
明日になったらきっと忘れられる
何度なくその期待は打ち砕かれた
だからもう信じることも疲れたんだ
君があの日見せた涙はたしかに濁りのない真実の涙だった
それさえ見抜けなかったぼくは君といる資格をなくしたの
君との思い出はたくさんあるけれどそのサヨナラひとつですべて恥に変わった
ぼくは君を傷つけた
その罪は消えないのさ
ひとりごと 風につぶやいて悲しみにひたる
そんな悲しみさえ笑い飛ばせるほどの光はこの先あるのかな
そんなことばかりこの頃は浮かぶよ
わがままでどうしようもないぼくだった
君を傷つけたあの言葉 永久に封印したけれどなぜか気を抜いたらすぐ誰かに言ってしまいそうで
どこまでも海のように果てしない愛だった
だけれどサヨナラに変わる確率も同じに果てしなかったよ
ぼくはただ君とただその果てしない確率の末に離れただけだ
今 考えに考えてる
ぼくの日々は風のように消えていく
たかが一生でされど一度の貴重な恋だった
確実に僕の人生で一度だけ熱い恋だった
だからね致命傷になることは免れないね
はじめての恋ではじめての失恋体験
あの日体中を貫いた雷はなんだったのか
世の中のすべてが結果だけ必要になるのならあの恋はぼくには無意味だったのか
痛みを伴うならばそれだけのリスクをこえていたら幸せになれたかも
そんなイメージを抱いたままはじめての恋は今 本当のラストをむかえたの
沈む気持ち
記憶の底の底へ
ゆっくり消えていく
ぼくのきらめく思い出たちよ
もう会うこともなかろう
餞別だ 手向けの花を投げるぜ
君が流した涙と相違ない真実の涙が今更ぼくを白く白くぬらす
ぼくはたしかにあの日君を傷つけたね
代わりに浮かんだ罪の全容。