詩人:放射能]
綱渡りは失敗
平行感覚を失う
手に入れたのは
冷たい夜と頑丈な自閉
喋らなくていい
声帯を壊してもいい
誰も知らないのは
誰も気づかないって事
自分のカラの中に
ひとり暮らし中
水滴が光る
外灯に照らされて
僕にも可能性があるよ
とは誰も言わないけど
食卓に並ぶのは
インスタント食ばかり
僕の血肉までお手軽で
温めれば
食べられるだろうよ
思いもよらない奴が
犯人なんだよ
だからこその無差別
その心理が
いま僕を支配している
人の手の温もりは
知らないよ
右と左をつないでみた
ひとりぼっちの友達だ
ひとりぼっちの恋人だ