詩人:甘味亭 真朱麻呂
ありふれた愛の言葉なんてばからしいと本気で思ってました
だれも伝えたことがないような歴史上にも例がないような
とびきりはみ出した言葉で君をまいらせたい
そう思ってた
だけれどたとえば君が転んで一人じゃ立てないとき
僕が挫けそうな君の気持ちまで立ち直らせてあげられたら
いいなと思うから
今はありふれた言葉の素晴らしさを痛いほど知っている
大丈夫とか
ありがとうとか
愛してるとか
好きだよとかね
たとえばこんなありふれた言葉でも君が言ってくれたなら不思議と違うふうに聞こえるから不思議だ
心から思うよ
だから 今も未来もいつもいつまでもずっと二人のままで悲しみに打ちひしがれる日もおだやかな日さえも二人のままで生きていきたいと願いまでささげたの
ありもしない信仰心とあるはずもない誠実さの中でただひとつだけ君へのたしかな思いひとつを言い訳にお星さまに願いをささげたのさ
今日はなんだか涙もろい夜だ
君の助けがぜひ必要だ
そんな気持ちが僕をおそう日はぎゅっとただぎゅっと抱きしめてほしいよ
こんなにも弱くてえらそうな僕をまたふたたび黙らせて
もう君を好きだってこと以外言えないように君を傷つけさせないようにぎゅっとただぎゅっとあからさまに公然の前でもいいから
二人のままで二人のように二人らしい形を二人の力だけでそこに描こう
今は指先さえも届かないくらいはるかな愛の完全な完成の日を夢みながら若い今はただ愛にだけ忠実でいよう
それだけでいいから
血迷いすぎて焦りに二人傷つきあいキスもしないうちからさよならすることが無いようにいつまでもいつまでも見つからなくてもいいくらいの覚悟で愛をいつまでもいつまでも探してよう
きっと愛は永遠に見つからない
目の前にある君こそが愛の全て
目の前にいる君こそが僕の全てだから。