詩人:甘味亭 真朱麻呂
やけに眠りが浅い夜
ぜんぜん眠れない
瞳孔は完全にひらきっぱなしさ
トイレもちかいし
このごろいいことも何もないし
なんだか生きている意味がなくなったようだね
それでも生きているワケは知らぬが仏
だから聞かれても応えようがないなあ
鏡に映った自分の姿に涙が出るほどすがったあの夜 まるで鋭いトゲのように僕の心に突き刺さった
月はきれいだけど
話し相手としてはこたえてくれないから会話も成立しない
だからだからだから結局はいつも悲しいひとりごとを繰り返す
俺ともう一人のドッペルゲンガー
同じ口の動きで同じことを言っている
ああ 悲しいなあ
ああ 切ないねえ
ああ 儚いのさ
あいつもこいつもそいつもどいつも嫌い
僕が好きなのは自分だけだからどうぞお構いなく、友達や恋人などおよびでないよ
自分の涙に同情しては自分の悲しさに憎しみ抱いて自分をいつでも愛してるスタイルで僕は僕を抱きしめる
やっぱり
悲しいなあ
切ないねえ
儚いのさ
だけれど自分は自分
だけど素晴らしいほどの脳天気ぶりで誰か照らせたら…
ひそかに想うのさ
ひそかに ひそかに
想うんだよ
そんな悲しさ抱えたまんま生き急ぐ週末の十字路(クロスロード)
行き交う人の列は終わらない
行き交う人の目は冷たい
何を求めて何を目指して人は生きる?
僕には関係ないね
なんて想う
週末クロスロード
赤になる前に
青のうちに
進まなきゃ
歩き出さなくちゃ
人生の横断歩道の前
その勇気だけが全て
その勇気が鍵なんだ
一歩、あと一歩
こわいところを切り抜ければそこは素晴らしい楽園なんだ。