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[179157] 機械仕掛けの心臓

詩人:どるとる


私は自分が誰か知らない
私は自分の性格を知らない
いや、もしかしたら知っているのに気づいてないだけかもしれない

私は自分の素顔を知らない
私は自分の趣向を知らない
否、もしかしたら知りたくないだけで本当は全て熟知しているのかもしれない

目の前には断崖絶壁
落ちたら最後、
命はない
そんなわかりやすい人生ならばこの先
何に悲しむことも迷うこともなくたやすく命など放り出せるというのに

そうできないのは
ただ、単純に
この心臓が
生きよと私に
脈絡のない
命を下すからなのだ

トレモロの脈拍、
リズムにならない
不規則な旋律、
静寂ののち再び
ざわめくこどう

この心臓の蠢くかぎり、私は知らない

自分が爪を切ることや窓の外を気にかける理由さえ。

2012/10/22 (Mon)
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