詩人:高級スプーン似
8月が
寝たきりになれば
永遠に自由だ
夏が冷えても
蝉は鳴き続け
コオロギは
居場所を失くす
風情は死に
こどもたちは今日も
楽しそうに遊んでいる
宿題は風化し
アサガオが地球を覆う
毎日がバカンス
大人はいつもどおり
あくせくと悪戦苦闘
汗臭く働く
晴れたら
天体観測だ
麻痺する
素麺をすする
スイカを食べ過ぎて
お腹を壊した少年
それは
一瞬の出来事
さくらんぼは必要ないな
過ぎ去りし
∞月と
888888888日目
拍手はないが
ミンミンと
八月蝉い目覚まし
止めたいなら
蛹の背中から
電池を取り出せばいい
あとにも先にも進まない
不滅の現代
今日も明日も明後日も今日
来月は来ない月のこと
クーラーを
いくら使っても
払わなくていいから安心だ
8月が
寝たきりになれば
自由は不自由になる
心臓がフリーズしても
血潮は熱く
燃え盛る小僧ども
俺がお前らだったなら
さぞや
嬉しかっただろうが
この流れには逆らえない
帰ってこない寂寥感
だから
勤しみますよ
いつまでも
絵日記は
最後の日まで忘れよう