詩人:どるとる
僕は私ではなく
私は僕ではなく
ただ、かんたんに
命と申します
それを宇宙と
読み解けば
人の世の
常識などは
忽ち卵のような
脆く柔い塊と化す
喜びでも悲しみでも
憎しみでも悪ふざけでもない
それを何かと決めつけるのは些か難しい
それが道理と
言うのなら
あなたの信ずる
当たり前などに
何の力があるのやら
小石一つ動かせぬ
保証できるものになどハナから価値など見ていない
人の命も何もかも
保証の限りじゃないもの全て僕はいともたやすく愛などという見えもしない幻想に
少しの光も見えやせぬ
保証なき日々の最果てに 例えば夢とも違えぬ救いがあれば
どんな財より素晴らしい
だから存在に保証などあるわけもなく必要もなく
ただの命で構わない
それを宇宙と
ごまかして
飯事戯れ言世迷い言
形を変えて語り継ぐ
色は変わらずただいつまでも命は命のまま時の流れの果てまでもそこにあってどこにも見えぬ
あるもなしもわからない触れることさえできはしない実体のない影法師
命と肌は違うもの
命と臓物は繋がらない
ただ命と言うのなら
命は見えぬものとだけ
形のないものをさもあるように 語る不思議はおかしなおかしなかた結び。