詩人:甘味亭 真朱麻呂
ほら今夜も空を眺めれば三日月が雲に隠れ輝いている
雲がじゃまらしいのかやがて雲を三日月はのけて
そのすばらしい輝きで三日月はキラキラ僕の瞳のなかでその全身をあらわしたんだ
ほら三日月の照らす光の道を今夜も誰かが 歩いているのだろうか
僕には関係ないや
僕の悲しみが誰かに関係ないみたいに
それは他人のことだから
泣きながら笑いながら僕も歩いているのだろう 明日も
三日月は笑ってるのかなあ
それとも泣いてるかな
それさえわからない
月はポーカーフェイスだから
顔のない月だから
でも僕にはわかる
月は僕たち人間と同じで笑いもするし泣きもすること
ねえ三日月
何もいわなくてもいい
そうだろう?
夜空に孤独に光る三日月よ 時には太って満月になる
今日は痩せてるね
なんて僕はいう
君の光でつくられた光の道を歩きながら
いろんなこと考えていた 夜空に思いを寄せるように
寄り添ってゆらゆら揺れて僕は三日月のように直立不動のまま眠りに落ちる
幸せが星の数だけ輝いている
悲しみも負けじと輝いている
それでもそれでもそれでも僕は生きる
三日月のように輝きを放って どこからか幸せが運ばれてくる
そんなフシギな夜
僕は迷い込んだようだ
まるでフシギの国のアリスの気分
じゃオヤスミナサイ
僕は寝ます
なんてことはないいつもの夜なのになぜだか幸せな夜に巡り会えた幸せ
ありふれた幸せの中
僕は三日月よりも今 輝いていると思うんだ
君はどう思うかな?
今夜も光の道を
その季節その季節の風に吹かれながら
ずっと人生をこの道で
三日月と一緒に。