詩人:アルバトロス
君の寂しさを埋める役を演じてみたよ
君のぽっかり空いた穴をふさぐ
絆創膏のような そんな役を
ちゃんと演じられていたかな
やっぱり今回も自信がないや
だから報酬はいらないよ
今日はゆっくりお風呂に入ろう
化粧を落として
どこまでが化粧なのか
もうわからなくなったけれど
その繰り返しが人生なのだよ
と、他人事のように言ってみる
部屋の隅には脱け殻の自分が、ひとつ
しわくちゃになって、ひとつ
安心して
それは私じゃないから
と、他人事のように言ってみる
私の傷をふさぐ役は
誰が演じてくれるのだろう
そうだ
傷は脱け殻にあって
私にはないのだった