詩人:あとりえ
すくっても
すくっても
指の間
落ちてゆく水の調べ
僕は
水掻きはないけれど
その調べをどうらや
識ってるらしい
遠く時の窓辺向こう
カーテン隠しながら
幸福たち微笑んでいた
季節の調べのなか
水掻きなど邪魔だ
人間らしく在りたい
何処まで日陰の奥へと
閉じ込める
指の間
すくい落ちる水の調べ
泳いだの?
どこを哀しみのなかを
ああ、だから
毒舌、辛口で
隠し誤魔化していたんだね
僕は気づかないフリして
半分生きていた
みんな100才まで生きてくよ
みんな
自ら絶った あの人でさえ
その時から脳に白い影
出来始めていたんだね
指と指の間の
水掻き消えた後から
人間らしい現実
白い影 回復するには
どうしたらいい
水
すくい落ちるよな時のなか