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[145835] 旅の終わりに見えるもの

詩人:甘味亭 真朱麻呂


旅の終わりは僕ら人間にとって死ぬことじゃないよ
死んだって旅は続くんだよ あの世でも
この世に未練がなくても満足のいく人生を生きれたとしてもまだ旅を続けたいと思うかぎり旅は果てしなくどこまでも続いてゆくんだ

旅の終わりにもしもいつかたどり着いて重いため息
風に吹かれて
ふと立ち止まっていつもの夕暮れの町並みに景色に涙を流せばまるで不思議なくらい優しい気持ちになれる
やがて夜があたりを包み込めばあかりがちらほらつきはじめる
そんな繰り返しの中をただすり抜けて
僕らは旅を続けてゆく

光る何かを
生きるに値する
価値のある意味を
僕ら握ってるから
明日もまた生きたいと思うんだ
きっとその先にはまだ
その先にもまだ見ない光があるからと

人それぞれ 見えるものは様々だから
僕は何を見るのか
今 少し 楽しみにしているんだ
不安だらけだって光はあるんだから不思議だな
ぬぐえない影と解き放つ光で染まった心に今また新しい朝が来る
僕はその時 何を思う

今はまだ始まってから間もない旅の途中だ
焦らず考えてゆこう
慌てず考えてみよう

旅の終わりに見えるもの
今 この瞬間 現在 見えるもの
旅のはじまり 今までに見てきたもの
ひとつひとつ束ねていつかはきれいな思い出に全てなるのさ
それは花束のようにみんなに贈られて。

2009/07/26 (Sun)
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