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[145844] 空から心へメール一通

詩人:甘味亭 真朱麻呂


悲しい空の下では
悲しい話をいたしましょう
悲しい空の色と同化するみたいに
涙を流す空にとけ込もう

嬉しい空の下なら
楽しい話をいたしましょう
嬉しい空に嬉しい空に敬意を表して
嬉しいからっていう安い理由に身をゆだね

悲しい空も嬉しい空もボクを見おろす
悲しい空が嬉しい空がボクをのみこむ

やがてその胃液でボクは跡形もなく消える

ボクが感じた悲しさも嬉しさもまるで最初から何もなかったみたいに痕跡すら残さず
隠蔽工作みたいにきれいに片づいた世界でボクの記録はごくわずかで

それでも
それでも
ボクらは
悲しい空や
嬉しい空の
その下で
今日も
明日も
くたばるまで
笑って
泣いて
するんだ

だから
どうせ死んじまうなら楽しいときはそれなりの気持ちを表情にしよう
そして悲しいならば涙を流せばいい

悲しい空や
嬉しい空が
素直に染まるように
ボクらも
悲しい空や
嬉しい空を
見習ってみるんだ

偽らない心を咲かせてみましょう

こたえをおしえてくれたのはあの物言わぬ空です
おどろきの事実ね。

2009/07/26 (Sun)
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