詩人:どるとる
手を伸ばしても
届かない光
そこにあるはずなのに
どこにもない存在しない光
僕を照らしたまま
動かない頑固な光
いつ生まれたのかも
わからない光
遠い物語を背中に乗せて 僕に語りかけてくるよ 優しい声で
笑っていよう笑ってみよう
思い出はもう
遠い空の彼方
失ってもなお
老いさらばえてなお
輝きを増してゆく
そんな光
そんな光が僕をずっと見つめてる
照らされている
照らしている
あたためている
あたためられてる
したりされたり
やったりやられたり
繰り返す日々の中
暮らしの向こう側
遠いような近いような
距離も掴めない場所にある光
君にも見えるはず
目を凝らせばわかるはず
ほんの小さな優しさや ほんの小さな場面に横切る光
多くの傷跡や苦労を背負っているなんて
思わさせない君は
雨降る日にも疲れた日でも
まるでそんなこと
気にもせずに
変わらない優しさで
僕を照らしつづける
失いたくない
老いさらばえたなら
シワを数えてみる
どっちが多いか
少ないか言い合って笑いあう
守られている
守ってあげてる
愛されている
愛している
してもらってばかり
やってもらうばかり
気づくといつも
僕の瞳の中にいる
振り返る その先に
見える世界
見上げる 彼の果てに 映る星
見えはしない だからない
さわれもしない だけどある
気づくといつもここにある
遠い光 君という光
僕だけの光
誰の声も行き届かない闇に 明かりをくれる光 遠い光。