詩人:どるとる
寒い帰り道
日の短さに
冬を見つける
ポケットに手を
入れて何処へ行く
自由の風に吹かれても行き場はもう決まってる
何処まで行っても
終わりは来ないさ
僕に出口なんかない
逃げ場所もないんだ
どうせなら 全て
目の前にあるもの
真っ白く染まってしまえばいいのに
心まで 冬の色に
染まって 染まって
街はもうすぐ聖なる鐘の音に包まれる
耳の先までかじかんで
愛して 愛されて
言葉にしなくてもただ寄り添うだけ
それだけで互いの熱が伝わって 伝わって いつもより大事なあなたのぬくもりがわかるんだ
夜の窓辺
月の満ち欠けに
切なさを見つめる
かくれんぼうしてたわけじゃないのに
冬に見つかって僕の瞳に雪が降り積もる
希望こそ無いけれど
それでもどこか救われたような気持ち
この心を冬の色で
塗りつぶすんだよ
このさみしさは
もしかしたらきっと
あなたというぬくもりと出会うまでの
ちょっとした悲しみなのかもしれない
だからもう泣くのはやめたんだ
無理にでも笑うつもりはないけど
少しだけ 今までとは違う明日を見つけてみよう
そこにあるさ
春の陽射しのような
冬の中に埋もれた
幸せという花の蕾が。